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防災事業

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スプリンクラー配管の腐食が及ぼす影響

スプリンクラー設備に使用される配管は、その材質である金属の特性から、年月の経過によって腐食が発生します。その結果、配管材に微細な穴であるピンホールが発生し、漏水事故へと繋がります。スプリンクラー設備では、配管の腐食を抑制することで、漏水による水損被害を軽減することが重要になります。

腐食のメカニズム

腐食のメカニズムは金属の酸化還元反応です。自然界における鉄は酸化鉄(錆)の状態で鉄鉱石として存在しています。これを配管材などの製品にする場合、精錬作業を行うことで生成することができます(還元反応:酸素の喪失)。
還元された鉄を放置し、水とそれに溶けた酸素が接すると腐食が起こり、再び、酸化(酸素との再結合と水などの環境による働きの活性化)反応が生じて、物質として安定した状態である「酸化鉄」になろうとします。

腐食を促進させる加圧水の中の“溶存酸素”

一般的なスプリンクラー設備は、火災時の放水を想定し、加圧された水が充填されています。ヘンリーの法則では「温度が一定の場合、一定量の溶媒に溶ける気体の質量(物質量)はその気圧に比例する」とあり、これによると、スプリンクラー配管内の水は多くの酸素(溶存酸素)を含んでいるといえます。また、天井内の配管施工上、勾配配管や凸型になる鳥居配管となる場合があり、こうした部分の空気溜まりが加圧水によって圧縮され水中に溶け込むため、より溶存酸素量が多くなります。

このように、一般的なスプリンクラー配管は、より腐食(酸化還元反応)の起こりやすい状態にあります。当社の提案する湿式真空スプリンクラーシステムでは、配管内の水を負圧とすることで既に水に溶け込んでいた溶存酸素を減らす作用が働き、さらに空気溜まりからの酸素の溶け込みもないことから、酸化還元反応が起こりにくく、ピンホールなどの配管腐食を抑制することができます。